

以前もテクニカル分析を使わないグリッドトレードの話をしましたが、今回紹介するダブルスチール投資法もグリッドトレードの一種です。 この記事では、FXのグリッドトレードがどんな手法なのか、そのメリットとデメリットを解説しています。 グリッドトレードは、相場をテクニカル分析することなくトレードできるために市場の影響を受けず、「聖杯」 ...
FXのグリッドトレードとはどんな手法?メリット・デメリットなど全解説!
最近、ダブルスチール投資法を利用した自動売買ソフト(EA)の「DST-system」がなにげに堅調で、トレンド相場狙いのEAのような爆益は期待できないにしても、テクニカル分析がしにくい昨今の相場でもコンスタントに利益を積み上げてくれるEAです。
そこで、ポートフォリオには組み入れることが可能か、ダブルスチール投資法は稼げるのかを徹底検証してみました。
ダブルスチール投資法とは?
ダブルスチール投資法は、グリッドトレードを用いた投資スタイルになります。
グリッドトレードとは、等間隔の値幅で注文を入れてポジションを取るというトレード手法です。
たとえば、上記チャートの買い注文のタイミングに赤色の横線を引いていますが、この間隔は約20pipsです。
非テクニカルロジックなので、移動平均線もMACDも一目均衡表も何も考えず、ただひたすらに20pipsごとに買いや売りを入れていくのが、ダブルスチール投資法の手法の肝となります。
この手法は、FX会社のマネースクエアが特許取得しているトラリピ(トラップリピートイフダン)によく似ているトレード手法です。
ダブルスチール投資法の具体的なトレードロジックは、5分足のAUDNZDのペアでの等間隔トレードで、もちろん裁量トレードでも取り入れることはできますが、その時の価格で買いと売りを判断し、一定の間隔で一定の利益が出たら決済を機械的に繰り返していくだけですので、まさに自動売買ソフト(EA)にピッタリの手法といえます。
ダブルスチール投資法を利用した自動売買ソフト(EA)
EA版ダブルスチール投資法(DST-system)は、ダブルスチール投資法の特徴である等間隔で注文を入れていくグリッドトレードEAです。
つまり、
- 割高感のある時は売って
- 割安感のある時は買う
をひたすら繰り返すEAです。
そのため、チャートが狭い範囲を行ったり来たりする「レンジ相場」が得意なロジックで、値動きの幅が非常に小さくトレンドがほとんど出ないAUDNZD5分足が推奨通貨ペアとなっています。
※ AUDNZDは、オーストラリアとニュージーランドは政策が似た傾向にあるため、値動きの幅が小さく一方的なトレンドが生じにくいことで有名な通貨ペアです。
EA版ダブルスチール投資法(DST-system)の特徴
EA版ダブルスチール投資法(DST-system)のロジックは、等間隔で注文を入れて固定pipsで決済していくだけなので予測や予想などの要素がありません。
そのため、最適化の要素がなく、バックテストでは好成績なのに、実際にトレードしてみると成績が悪いEAにありがちな過剰最適化の心配はありません。
単純なグリッドトレードは、ポジションを取った後、利益が出るまで決済せずにホールドします。
一方、EA版ダブルスチール投資法(DST-system)は、ポジジョンをとった後、想定と逆方向にある程度値動きした場合、さらにポジションを取ります(ナンピン機能)。
上のチャート図でもわかるように、ナンピンした場合、ナンピンをしない場合より少ない値動きで利益が発生して決済できるという利点があるからです。
つまり、EA版ダブルスチール投資法(DST-system)は、等間隔で売買を繰り返すグリッドトレードにナンピン機能が付加されたEAです。
EA版ダブルスチール投資法(DST-system)のバックテスト
EA版ダブルスチール投資法(DST-system)のバックテストは、EA-BANKの紹介ページでも公開されていますが、テスト期間が2006年から2017年までと少し古いことと、スプレッドが2.5pipsと一般的なFX会社より狭く(有利に)設定されていることから、より正確なティックデータを利用してスプレッド3.5pipsでバックテストを実施してみました。
Strategy Tester: DST-system_ver1
cs.ea-bank.com
10年以上のバックテストの結果、プロフィットファクター1.7と平凡で35%強のドローダウンが生じているところがありますが、全体としては右肩上がりの収益グラフとなっています。
EA版ダブルスチール投資法(DST-system)は、等間隔に注文し決まったpipsで決済していくテクニカル分析を必要としないEAなので、レンジ相場には手堅く稼ぐことができますが、トレンドが生じてしまうとドローダウンが生じて損失を被るリスクがあることがうかがえる結果となりました。
EA版ダブルスチール投資法(DST-system)のフォワード実績
引用元:EA-BANK
EA版ダブルスチール投資法(DST-system)のフォワード実績は、EA-BANKの紹介ページで公開されていますが、バックテストでも予測されたとおり、トレンドが生じた際に含み損が発生していることがわかります。
とくにナンピンをしていることで、発生したトレンドに比較して一時的に大きめの含み損が生じますので、実際に運用する際は必要な証拠金維持率に気をつけておかないと証拠金が不足して強制決済(ロスカット)されることに注意しておく必要があるようです。
EA版ダブルスチール投資法(DST-system)の口コミ・評判
DST-System EAのAUDNZDが9段目に突入したよ(´-`)リスク低減としてグリッド幅を30pipsに広げてたから一方的な下げトレンドでは余計に厳しい… pic.twitter.com/hLaCq5VOi0
— ヤマ氏 (@posikichi) August 4, 2021

DST-System(グリッド系) パフォーマンス
(7/20~7/24)
+80.7pips
+1,492円(全期間7/6~)
+241.1pips
+4,002円見ていてスリルがなく退屈だが、手堅い。ただ、月利ベースで3%を超えないとEAに取り組んでいる意味が薄れてしまう。(自動売買以外で月利3%取れる投資先もあるため。) pic.twitter.com/kUaBoV3FXv
— ブリオン (@tdn_kykw) July 25, 2020

EA版ダブルスチール投資法(DST-system(ナンピン版))
EA版ダブルスチール投資法(DST-system)のナンピン版は、無料EAサイト「EA-BANK」で公開されています。

EA版ダブルスチール投資法(DST-systemβ(非ナンピン版))
ナンピン機能がないEA版ダブルスチール投資法(DST-systemβ)は、現在一般公開はされておらず、ダブルスチール投資法の無料メルマガ経由でEAーBANKに登録した際の特典EAとして配布されています。

まとめ:ダブルスチール投資法はやり方次第で稼げる!
ダブルスチール投資法はレンジ相場を得意とするグリッドトレードの一種です。
トレンドフォロータイプの手法ではないので、爆益!といった醍醐味はありませんが、方向性が一定しない上がり下がりを繰り返す相場ではコツコツ堅実に利益を重ねることが期待できます。
ただ、どのような手法やEAに限らず、未来の為替相場がどうなるかは誰もわかりませんので、気になる人はデモ口座で試験的に運用してダブルスチール投資法のロジックのくせを掴んでみることから始めるのがおすすめです。
また、相場の変化の影響を抑え、より安定的なトレードをするためには、ロジックや通貨ペアが異なるタイプの複数のEAでポートフォリオを組むことが大切になります。