インジケーター(テクニカル)

ピボットはサポートやレジスタンスにも使える|ピボットを利用したトレード判断を徹底解説!

2022年5月22日

本ページはプロモーションが含まれています。

瑛斗
「ピボット(Pivot)」ってテクニカル指標がいいって聞くけど、なぜなの?
レンジやトレンドの判断がわかりやすいことと、誰が使っても同じ値を示すことかな?
創哉

「ピボット(Pivot)」というテクニカル指標の名前を聞いたことがある人は多いと思いますが、メタトレーダー4(MT4)に標準で入っていないため(※)、実際に使ってことがある人は少ないかも知れません。

しかし、世界中のトレーダーが注目するテクニカル指標で、使いこなせるようになると非常に有利なトレードができるので、今回徹底解説してみることにしました!

※ ネットで検索すると無料で手に入りますし、FX会社によっては付属チャートに含まれていることがあるので、一度探してみるのをおすすめします!

ピボット(Pivot)とは?

ピボット(Pivot)とは、RSIやパラボリックの開発者であるJ・W・ワイルダーが考案したツールです。

簡単に説明すると、前日相場のレートの動き(高値、安値、終値)からローソク足の動きを予測する際の基準となる価格帯を表すテクニカル指標です。

FXだけではなく先物市場や株でもよく使われています。

ピボット(Pivot)の意味

ピボット(Pivot)とは「回転」のことで、ピボットポイント((前日の高値+安値+終値)÷3)を軸として、翌日の売買の目安となるサポートライン(支持線)レジスタンスライン(抵抗線)を計算するものです。

ちなみにテクニカル指標の「ピボット(Pivot)」という呼び名は、ピボットポイントを中心にその日のレートが動くことに由来しているそうです。

明日の値動きを予想するのには、10日前の値動きより今日の動き、中でも高値・安値・終値の3つの値が一番参考になるであろうという発想から成り立っています。

前日の相場の動きによって今日の相場を予測しようとするツールですから、基本的には短期的なトレード、いわゆる「デイトレ」のためのチャートになります。

ピボット(Pivot)の計算式

通常のピボットインジケーターでは、7つのポイント(ピボットポイント・サポート1~3・レジスタンス1~3)が表示されます。

それぞれのポイントは、次のような計算で算出されます。

  • ピボットポイント(P)=(前日の高値+安値+終値)÷3
  • サポートライン1(S1)=Pー(Pー安値)
  • サポートライン2(S2)=Pー(高値ー安値)
  • サポートライン3(S3、L※)=S1ー(高値ー安値)

※ L:ロー・ブレイクアウトポイント(LBOP)ともいいます。

  • レジスタンスライン1(R1)=P+(Pー安値)
  • レジスタンスライン2(R2)=P+(高値ー安値)
  • レジスタンスライン3(R3、H※)=R1+(高値ー安値)

※ H:ハイ・ブレイクアウトポイント(HBOP)ともいいます。

計算式ではわかりにくいですが、図示するとそれぞれのポイントは次のような関係になります。

ピボット(Pivot)がトレーダーから注目される理由(わけ)

世界中のトレーダーが注目するポイントでチャートが大きく動くといわれています。

トレーダーが注目するテクニカル指標として有名なものは移動平均線やRSIなどがありますが、これらのテクニカル指標にはパラメーターの設定があります。

パラメーターの設定があると、設定する値によってチャートに表示されるテクニカル指標にズレが生じ、トレーダーが見ているポイントも変わってしまいます。

一方、ピボット(Pivot)には他のテクニカル指標にあるパラメーターの設定がありません。

そのため、ピボット(Pivot)では、世界中のたくさんのトレーダーが同じラインを意識してチャートを見ることになり、これが他のテクニカル指標より信頼性が高い指標といわれる所以です。

ピボット(Pivot)を利用したトレード判断

ピボット(Pivot)とローソク足の関係から相場の勢いがわかります。

ピボットポイント(PP)からローソク足が離れているほど、相場の勢いが増していると考えられます。

また、ピボット(Pivot)はサポートライン、レジスタンスラインとして使うのも可能です。

ローソク足の上昇や下降がそれぞれのラインで止まるのを予測したり、第1のラインを超えた場合は第2へ、第2を超えた場合は第3へ向かう可能性が高いと予測することで、レンジ相場なのか、トレンドが発生したのかを判断できます。

ピボット(Pivot)とレンジ相場


レンジ相場では一定の値幅でレートが推移するため、ピボットポイントを中心に前日のレートと同じような値動きをすると仮定すると、その日のレートはサポートライン2(S2)とレジスタンスライン2(R2)の間を動くことになります。

実際のチャートでも、レジスタンスライン2(R2)で反転するケースがよくあります。

そのため、ポジションを取った後、逆方向にチャートが動いて含み損が生じている場合(ポジションが溜まっている状態)も、これらのラインまでは様子を見て、予想どおり反転すればレンジ相場にあり、ポジションはとりあえずホールドしても差し支えないという判断がとれることになります。

ピボット(Pivot)とトレンドの発生


レンジ相場がサポートライン2(S2)とレジスタンスライン2(R2)の間で推移するのに対し、サポートライン3(S3)やレジスタンスライン3(R3)は、前日の高値と安値の値幅に加えて、前日の値動きと逆の動きを加えたラインですので、チャートがサポートライン3(S3)やレジスタンスライン3(R3)を抜けたことは、新たなトレンドが発生したと見ることができます。

※ 上記チャート図では、R3(L)の直下でチャートがもみ合っており(サポートラインが形成されている)、このラインを抜けることで下降トレンドが形成されています。

そのため、サポートライン3(S3)をロー・ブレイクアウトポイント(L、LBOP)、レジスタンスライン3(R3)をハイ・ブレイクアウトポイント(H、HBOP)と呼ぶことがあります。

このようにブレイクポイントを抜けて新たなトレンドが形成されたと判断できれば、逆のポジションは損切りを検討する(※)ことになりますし、トレンド方向へは押し目買いを検討することになります。

※ レンジ相場向けEAを利用している場合、チャートが前日の値幅であるサポートライン2(S2)やレジスタンスライン2(R2)を抜けると、新たなトレンドにチャレンジしてサポートライン3(S3)やレジスタンスライン3(R3)を目指すことが予想されるため、損切りを判断するタイミングと考えられます。

ピボット(Pivot)を使うときの2つの注意点


ピボット(Pivot)は世界中のトレーダーが注目しているポイントがわかるとても有効なテクニカル指標ですが、万能ではありません。

ピボット(Pivot)の特徴をしっかり把握しておかないと失敗トレードに繋がってしまうので注意が必要です。

注意点①:ピボット(Pivot)には有効期限がある!?

ピボット(Pivot)は前日の価格から算出されるから、それが有効なのは当日限りとなることに注意する必要があります。

ピボット(Pivot)のラインは、日付ごとに変化する、つまり次の日にはリセットされることを頭に入れておく必要があります。

もちろん、時間軸が異なる週足・月足のピボットでも同じように考えます。

注意点②:ピボット(Pivot)だけでのトレードには限界がある!?

ピボット(Pivot)は前日の価格を基に計算されるため、長い期間でのトレンド判断には使えません。

そのため、サポートライン2(S2)やレジスタンスライン2(R2)を抜けてトレンドが発生しても、それが長期的なトレンドの発生なのか、長い時間軸のレンジ相場において短期のトレンドが発生しただけなのか、ピボット(Pivot)のみで判断すると、エントリーポイントの判断を誤る場合があります。

あくまでもピボット(Pivot)は環境の認識をするものなので、他のテクニカル指標と組み合わせることで、より有効性を高める工夫が必要になります。

まとめ:ピボット(Pivot)は世界中のトレーダーが注目する優秀なテクニカル指標!


これまで紹介したとおり、ピボット(Pivot)を使うと、前日の価格から算出した優位性が高いラインを見極めてエントリーでき、相場の勢いや動きがわからずエントリーチャンスを逃してしまったり、損切りのタイミング逃す可能性を低くできます。

まだ使っていない人は、この機会にぜひピボット(Pivot)を普段使いのテクニカル指標に加えてください!

-インジケーター(テクニカル)