この記事では、FXトレーダーが、QuantAnalyzer（クオンツアナライザー）を使って堅固なポートフォリオを構築する方法について解説します。
堅固なポートフォリオを構築するには、個々の自動売買ツール（EA）の成績だけではなく、EA同士の相関関係を低く抑えてポートフォリオを安定的に保つことが必要です。
そのためには、バックテストの結果を詳細に分析して個々のEAの性能を調べることができ、かつ複数のEAする場合の相関関係や成績をシミュレートすることができるQuantAnalyzer（クオンツアナライザー）は必須のツールとなります。
成績がいいEAで組んでいるのに利益を出すことができなかった人、聖杯に匹敵する最強ポートフォリオを組んでみたい人は、ぜひ本記事を読んでみてください！
FXの自動売買における複数EAで構築するポートフォリオについて
FXの自動売買で安定した利益を上げるには、堅固なポートフォリオで運用することが有用だといわれています。
それはなぜでしょうか？
また、どんなEAをポートフォリオに組み込むべきでしょうか？
以下、おさらいの意味で解説してみます。
ポートフォリオを構築する理由
FXの自動売買において、複数のEAでポートフォリオを構築することが望ましい理由は以下のとおりです。
①リスク分散：複数のEAを使用することで、ポートフォリオ全体のリスクが分散され、リスクを最小限に抑えることができます。単一のEAに頼ることは、リスクを増大させる可能性があるため、複数のEAを組み合わせることで、投資家のリスクを最小限に抑えることができます。
②多様性：複数のEAを使用することで、トレード戦略とトレードスタイルを多様化することができます。EAはトレードシグナルを生成する方法が異なるため、ポートフォリオ内のEAの数を増やすことで、市場環境に対応しやすくなり、ポートフォリオ全体のパフォーマンスを改善することができます。
③パフォーマンスの改善：ポートフォリオに組み込まれたEAが、異なる通貨ペアや異なる市場環境で最も優れている場合、ポートフォリオ全体のパフォーマンスが向上する可能性があります。また、複数のEAを使用することで、単一のEAに依存することがなくなり、市場変動に対するポートフォリオ全体の耐性を高めることができます。
④投資家の心理的偏りの回避：ポートフォリオに組み込まれた複数のEAは、投資家が特定のEAに偏りを持つことを回避するのに役立ちます。投資家は、自分が所有するEAに対して感情的になる傾向があるため、複数のEAを組み合わせることで、投資家の心理的偏りを回避し、ポートフォリオ全体のパフォーマンスを改善することができます。
ポートフォリオに組み込むべきEA
FX自動売買のポートフォリオに組み込むべきEAについて、EAごとの相関関係は低い状態にあることが望ましいです。
なぜなら、EAの相関関係が高いと、ポートフォリオ全体のリスクが増加するためです。
一方、相関性が低いということは、ある戦略のパフォーマンスが悪くても、ポートフォリオ内の他の戦略のパフォーマンスに影響を与えないということです。これにより、制御不能な状況による損失のリスクを低減し、取引利益の一貫性を維持することができます。
相関関係とは？
２つの事象の関連性のことです。例えば片方の値が1増えるともう片方の値も1増えるような関係を相関関係があるという表現をします。AとBというEAがある場合、相関関係が高いとAが利益を上げるときはBも利益を上げやすくなりますが、損失がでるときは相関関係が低い場合と比較して損失が拡大するリスクがあります。
そのためには、ポートフォリオに組み込むEAを選択する際は、個々のEAの成績に加え、異なるトレードシグナルが形成されるように通貨ペヤやロジックに偏ることなく、そうれぞれ相関関係が低くなるように留意する必要があります。
以下、Quantitative Analyzer（クオンツアナライザー）を利用して実際にポートフォリオを構築してみたいと思います。
Quantitative Analyzer（クオンツアナライザー）でバックテスト結果を分析する
MetaTrader単体でもEAのバックテストはできますが、Quantitative Analyzer（クオンツアナライザー）を使用すると、バックテスト結果を詳細に分析し、ポートフォリオに組み込むべきEAの候補を絞り込むことができます。
今回は無料で優秀なEAを利用することができる「EA-BANK」から、2023年1月のフォワード成績トップ10のEAでポートフォリオを組んでみたいと思います。
2023年1月度のEAフォワードランキング（EA-BANK）
| フォワード順位 | EA名 | 作者 | 通貨ペア | 時間軸 | 損益額 |
|---|---|---|---|---|---|
| ☆第1位☆ | Treasure Island_GBPJPY | RI | GBPJPY | M5 | +109,222 円 |
| ☆第2位☆ | CROCUS_USDJPY_EB | TraderY | USDJPY | M5 | +70,213 円 |
| ☆第3位☆ | Blue Seal GBPJPY H1 | Blue | GBPJPY | H1 | +68,133 円 |
| ☆第4位☆ | Tulamben_EB | Gecko | EURUSD | M5 | +63,970 円 |
| ☆第5位☆ | Good Morning Ultimate_EB | hokuto | USDJPYほか | M5 | +58,456 円 |
| ☆第6位☆ | AUDNZD Otaku | mohwaki | AUDNZD | M5 | +56,377 円 |
| ☆第7位☆ | Rajampat_EURUSD_M15_EB | Gecko | EURUSD | M15 | +54,602 円 |
| ☆第8位☆ | TrendScalper | HogehogeDeveloper | USDJPY | M5 | +50,571 円 |
| ☆第9位☆ | King_penguin_EB | kamekiti | USDJPY | M5 | +47,250 円 |
| ☆第10位☆ | TraTigerZ for EABANK | SoJiRo | USDJPY | M5 | +42,510 円 |
さすがに厳しい審査を勝ち抜いEAばかりなので、月間のフォワード成績でもしっかり利益が出ていますが、さらに精度を上げるために過去10年間のバックテストの結果をQuantitative Analyzer（クオンツアナライザー）で分析してみました。
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EA-BANK（EAバンク）の評判は？無料EAで簡単にポートフォリオ運用ができると高評価！ - アヴァンセEA倶楽部
この記事ではEA-BANK（EAバンク）の評判などを紹介しています。 EA-BANK（EAバンク）は良質のEAソフトを無料で使えると話題ですが、登録前に利用者の声も確認しておきたいですよね。 結論から
avancer.club
Quantitative Analyzer（クオンツアナライザー）での検索結果
| 候補 | EA名 | プロフィットファクター | ドローダウン（％） | シャープレシオ | 勝率（％） | 品質スコア（SQN） |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Treasure Island_GBPJPY | 1.49 | 13.4 | 0.15 | 34.59 | 0.95 | |
| ★ | CROCUS_USDJPY_EB | 1.54 | 7.64 | 0.13 | 70.9 | 2.8 |
| Blue Seal GBPJPY H1 | 1.25 | 6.64 | 0.07 | 37.53 | 0.93 | |
| ★ | Tulamben_EB | 1.78 | 4.36 | 0.19 | 73.58 | 2.91 |
| Good Morning Ultimate_EB | 1.49 | 2.72 | 0.16 | 45.54 | 0.65 | |
| ★ | AUDNZD Otaku | 1.35 | 6.83 | 0.13 | 66.27 | 7.72 |
| Rajampat_EURUSD_M15_EB | 1.28 | 5.27 | 0.11 | 68.29 | 1.93 | |
| ★ | TrendScalper | 1.24 | 3.27 | 0 | 77.61 | 5.82 |
| King_penguin_EB | 1.7 | 5.14 | 0.19 | 58.87 | 1.37 | |
| TraTigerZ for EABANK | 1.51 | 5.88 | 0.16 | 58.41 | 1.84 |
ポートフォリオに組み入れるEAを選ぶ際に重視されるQuantitative Analyzer（クオンツアナライザー）の項目の代表的なものは次のとおりです。
①プロフィットファクター：プロフィットファクターは、トレードにおける総利益と総損失の比率を示します。ポートフォリオに加えるEAは、高いプロフィットファクターを持っている必要があります。理由は、高いプロフィットファクターを持つEAは、利益が損失よりも優位に多いため、長期的に利益を生み出す可能性が高いためです。
②最大ドローダウン（％）：最大ドローダウンは、過去の取引で発生した最大の損失割合を示します。ポートフォリオに加えるEAは、低い最大ドローダウンを持っている必要があります。理由は、低い最大ドローダウンを持つEAは、損失を最小限に抑えるため、投資家が感じるストレスを減らし、長期的にポートフォリオの成長を支援するためです。
③シャープレシオ：シャープレシオは、リスクを考慮した投資の報酬を示します。ポートフォリオに加えるEAは、高いシャープレシオを持っている必要があります。理由は、高いシャープレシオを持つEAは、リスクを取った上での報酬が高いため、投資家が望むリスクと報酬のバランスを達成するためです。
④勝率：勝率は、トレードの勝利数をトータルトレード回数で割った割合を示します。ポートフォリオに加えるEAは、高い勝率を持っている必要があります。理由は、高い勝率を持つEAは、長期的に勝ち続ける可能性が高いため、ポートフォリオの成長をサポートするためです。ただし、勝率だけでEAの選択を行うことは、他の項目を無視する危険があるため、注意が必要です。
⑤品質スコア（SQN）：「期待値/標準偏差×√100」で計算されるシステムの品質の評価値です。
SQNスコア
1.6～ 平均以下
2.0～ 平均
2.5～ 良い
3.0～ 優秀
5.1～ 最高
7.0～ 聖杯
Quantitative Analyzer（クオンツアナライザー）のどの項目を重視するかは、それぞれのトレーダーがどのようなポートフォリオを組もうとするかで違ってきますので、今回は単純に「品質スコア（SQN）」が平均以上と評価されたEA（★）を４つピックアップして候補EAにしたいと思います。
Quantitative Analyzer（クオンツアナライザー）による相関とパフォーマンスのシミュレーション
ポートフォリオに最適なEAを特定したら、次のステップは、これらのEAを含むポートフォリオの相関性とパフォーマンスをシミュレートすることです。
このシミュレーションは、ポートフォリオ内の様々なEAが互いにどのように作用し、異なる市場条件の下でポートフォリオがどのように機能するかを評価することができるため、重要なステップとなります。これにより、ポートフォリオの構成を最適化し、安定した利益を確保するための修正を行うことができます。
候補EAの相関関係
今回候補にした4つのEAは、通貨ペアがAUDNZD、USDJPY,EURUSDと分散されていることもあって、相関関係がかなり低いことがわかりました。
Quantitative Analyzer（クオンツアナライザー）の基準では、相関関係「0.4」以下が望ましいとなっていますが、実際の運用では「0.2」以下を基準とする方が影響は少ないようです。
今回の候補EAは、相関関係的に問題はなさそうですので、次に候補EAでポートフォリオを組んだ際の結果をシミュレーションしてみました。
４つの候補EAのバックテストの結果を見てもなかなかいい成績を出しており、運用資金に余裕がある場合は、このまま４つのEAでポートフォリオを構築するのもよいようです。
しかし、限られた運用資金を有効に活用する視点から、この４つの候補EAでどのようなポートフォリオを構築するかさらに分析して最適解を探してみましょう。
QuantAnalyzer（クオンツアナライザー）で堅実なポートフォリオを構築する
候補となる４つのEAの相関関係に問題が無いことがわかったので、次のステップは実際にポートフォリオを構築してみます。
QuantAnalyzer（クオンツアナライザー）を使えば、相関関係が低く、リターンが高いEAのポートフォリオを簡単に構築することができます。具体的には、ポートフォリオ構築機能を使ってEAの組合せを比較することになります（※）。
※ ただし、無料版を利用している場合は、最大４つまでのEAでしか試行できませんので、それ以上の候補EAを使う場合は有料版を検討してみてください。
| ポートフォリオ構成 | 利益額（＄） | プロフィットファクター | ドローダウン（％） | シャープレシオ | 勝率（％） | 品質スコア（SQN） |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ②③④ | 45441.91 | 1.57 | 4.02 | 0.12 | 74.67 | 14.74 |
| ①②④ | 57448.4 | 1.52 | 3.85 | 0.1 | 68.35 | 13.45 |
| ①②③④ | 61126.21 | 1.49 | 2.84 | 0 | 70.53 | 21.97 |
| ①③④ | 41252.62 | 1.47 | 1.78 | 0.17 | 70.47 | 20.02 |
| ①②③ | 39235.7 | 1.41 | 2.59 | 0 | 70.1 | 17.72 |
凡例）①CROCUS_USDJPY_EB、②Tulamben_EB、③AUDNZD Otaku、④TrendScalper
運用資金100万ドル、テスト期間2013.2.11～2023.2.10
今回は、４つの候補EAを使って３つ以上で構成するポートフォリオを構築する場合を想定して比較してみましたが、いずれも十分利益が期待できる結果になりました。
QuantAnalyzer（クオンツアナライザー）を使えば、候補EAの追加や削除、潜在的な取引の特定、フィルターの適用、取引パラメーターの指定が可能で、いろいろなポートフォリオ構築をシミュレートすることができます。さらに、リスク評価タブでは、より詳細なリスク分析が可能で、ポートフォリオの安全性を確認することもできます。
単純に成績がよいEAでポートフォリオを組んでいた人は、QuantAnalyzer（クオンツアナライザー）を使って堅固なポートフォリオを構築することに挑戦することをおすすめします。
まとめ：QuantAnalyzer（クオンツアナライザー）を利用してFXトレードを次のレベルに引き上げる
QuantAnalyzer（クオンツアナライザー）を利用すれば、堅実なポートフォリオを構築することが容易になり、FXトレードで安定した利益を確保しやすくなります。
豊富な機能と強力なシミュレーション機能を備えたQuantAnalyzer（クオンツアナライザー）は、トレーディングを次のレベルに引き上げたいトレーダーにとって非常に貴重なツールです。
この素晴らしいツールにより、トレーダーはリアルタイムで市場を監視し、取引戦略を定義するだけでなく、バックテストとモンテカルロシミュレーションを使用して取引戦略のリスクとリターンを分析することができます。
通貨ペア間の履歴データを活用することで、トレーダーは特定の通貨ペアでショートまたはロングを決定する際に、その決定の影響を簡単に理解することができます。
また、QuantAnalyzer（クオンツアナライザー）は、異なる通貨のパフォーマンスを比較し、その損益率を分析することも可能で、トレーダーが十分な知識を持ち、最適な取引判断を下すのに役立ちます。
もしあなたがFXトレードのパフォーマンスを向上させ、安定した利益を確保したいのであれば、QuantAnalyzer（クオンツアナライザー）を活用することをおすすめします！
